在宅診療におけるVscan Airについて;私の使用経験から

やよい在宅クリニック
内科・外科
原田 潤一郎 先生

はじめに。

医師15年目、在宅医2年目になりました。私は消化器外科を専攻しており、日々の診療でエコー検査を自分で行う機会が比較的多かったと思います。入局当初、諸先輩方からは「エコーってすごく楽チンだから何かあったらすぐやってね!」と言われて事あるごとに検査していましたが、いざやろうとすると、重たい本体を引っ張り出し、狭い診察室・病室のベッドサイドにセッティングして、起動に時間がかかり、プローブのコードが邪魔になり、プローブの劣化で画像は荒くなっていき、無数のボタンやスイッチを押し間違え、使用後もシャットダウンするまでに時間がかかる・・・。病院によってはエコー使用に予約が必要で、すぐに使いたいのに貸出ノートに記録するアナログな手続きが要る・・・。いつしかエコー検査を敬遠しがちになり、何かあった時にはすぐにCTを依頼していました。
在宅の世界に足を踏み入れると、レントゲンやCTの敷居は高く、訪問現場でのエコー検査に頼らざるを得ないような状況になりました。一般的に有線のポータブルエコーでももちろん携帯しやすいですし、起動時間も短縮されますが、往診車での移動による劣化や断線により解像度の悪化によって診断や穿刺操作の際に不安に感じることがあるかと思います。その点、当院で導入したポケットエコーは、ワイヤレスのため有線と比べてストレスはかなり解消されたと思います。

日々の診療のどのようなシーンでポケットエコーをご活用されていますか?

個人的に意識して行うようにしている検査はIVC(下大静脈)径の計測です。在宅で診療する機会の多い高齢者の患者さんは一見元気に見えても脱水を来している方も多く、反対に心機能低下が併存している場合もあります。理学所見以外にも客観的な脱水評価のツールとしてIVC径は有用で、治療やICの際に説得力のある指標になっています。 外傷の患者さんには骨折の有無をエコーで観察して、不要なレントゲンや整形外科受診を減らすことができていると思います。下肢浮腫のある患者さんには静脈血栓の検索を行い、呼吸苦のある患者さんには心嚢液の有無やvisually estimated LVEF(左室駆出率)などの簡易的な心機能評価を行うこともあります。また、携帯エコーとしては解像度も非常に高く、肝硬変患者さんの肝細胞癌のサーベイランスや膵嚢胞性疾患のフォローも行っています。心エコー、腹部エコーで得られた情報を元に専門医に紹介する際にも大いに役立っています。その他にも腎瘻・膀胱瘻・胃瘻など挿入物交換時に固定部の確認にも用いています。
清潔操作用のプローブカバーを使用してエコーガイド下の穿刺操作も行っています。無線のため滅菌プローブカバーで覆いやすく、清潔操作も適切に行えると感じています。末梢静脈・CV・PICCカテーテル留置やポート造設、癒着のある腹腔・胸腔ドレナージや、限定的ですが経胸的心嚢穿刺や経皮経肝的肝嚢胞穿刺も行っています。

Vscan Airを使ってみていかがでしたか?

頭蓋内以外のほぼ全ての臓器でエコーが活躍していると思っています。緊急往診ではほぼ全例でエコー検査を実施しています。アプリ起動、プローブの接続もスムーズで、「エコーを当てよう」と思ってから数分で検査開始でき、気軽に検査しています。
一番気に入っている点は、コンベックスとリニアのプローブが一体型になっていることです。切り替えにプローブ交換が不要かつ簡単で、大変素晴らしいアイデアだと思います。検査画像のカルテ共有も非常に簡便です。タッチパネル操作で深度・ゲインの調節やドプラーの観察も直観的に行えることも高く評価できると思います。また、高画質なところもお気に入りポイントです。静止画だけではなく動画も保存でき、個人情報の扱いに注意が必要ですが、データの移動も簡便です。とても軽量化されていて携帯するストレスがほとんど無くなったことも挙げておきます。

今後のVscanシリーズに期待すること

すでに在宅領域のみならず、様々なシーンで活躍できる理想的なツールだと考えています。あえて希望をあげるとするなら、より安全に穿刺が行えるような機能や血流評価が行えるような機能の充実さらに循環器向けの製品があれば便利かと思います。 IT分野でも多くの可能性がある製品だと思います。今後の開発に大いに期待しています。
使用者の経験に基づく記載であり、GEヘルスケア・ジャパン株式会社が仕様値として保証するものではありません。
製造販売:製造販売:GE ヘルスケア・ジャパン株式会社
販売名称:汎用超音波画像診断装置 Vscan Air
医療機器認証番号:303ACBZX00012000

JB13894JA