日々の健康管理、迅速な急変時の診断、安全な処置のために

医療法人社団悠翔会  理事長 佐々木 淳 先生

はじめに。

僕は、ブラックジャックのような漫画を読んで「人の命を救う仕事って素晴らしいな」と憧れて医師になりました。でも実は、外科医ってなんでも診られるわけではない、そこで人間全体を診る内科を選び、のちに在宅総合医療の道へ転身しました。人生の最後の10年で要介護となったとき、「動けなくてもハッピー」という気持ちを支え、最期まで自宅で過ごしたいと願うすべての人の想いに応えるために、在宅療養支援診療所を運営しています。

日々の診療のどのようなシーンでポケットエコーをご活用されていますか?

日々の健康管理、迅速な急変時の診断、安全な日々の処置など、幅広く活用しています。在宅医療を機能させるためには、治療方針を自宅で決定することが求められますが、限られた条件下で医師の経験とスキルで診断をしてきた経緯があります。ここに、このポケットに入るサイズのこの小さなデバイスが加わることによって飛躍的に診断の精度が高まると期待しています。

Vscan Airを使ってみていかがでしたか?

たとえば定期的にチューブの交換が必要な胃ろうによる経管栄養は、処置を誤ると腹膜炎などを起こし命に関わる状況を作ってしまいます。したがって、これまでは安全に交換するために病院に出向いて交換する、ということも珍しくありませんでした。また自宅で行う場合でもきちんと胃の中に入っているかを内視鏡を用いてチェックするなどかなりの手間とコストがかかっていました。しかしポケットエコーを用いて胃粘膜層の下にあるバルーンを確認することで、非常に簡単で確実にチューブ交換が実施できるようになりました。少し前まではエコーで腸管を見る、ということは難しいとされ現在でも据え置き型の装置で観察することが主流なのですがVscan Airはとても解像度が良いので、胃などの消化管の層構造が明瞭に観察でき、今回のケース以外にもイレウスなどの緊急性を伴う疾患にも役立ちそうです。

また、Vscan Airは従来のエコーでは非常に観察しづらかった膵臓も描出することが容易で、初期症状がほとんど何もない膵臓癌のチェックにも役に立つのではと期待しています。 さらに、リニアプローブも1本で褥瘡のような皮下の変化から、深部静脈血栓など比較的深い部位の観察もできて便利です。

在宅医療では限られた機器と時間で、その時の患者さんの状態に合わせて必要な部位を検査しなければならないので、1つの装置で全ての領域をカバーできることは私たちにとってとても重要な事であり、Dual ProbeのVscan Airはその点においても大変優れた製品だと思います。Vscan Airは一昔前の据え置き型の装置と同等かそれ以上の画像描出ができ、患者さんが病院に行くことなく、今後の方針を選択するということも、容易になるでしょう。このテクノロジーの進化をうまく活用していきたいと思います。

今後のVscanシリーズに期待すること

在宅医療での急変時対応の原因のうち、ほぼ9割は従来の方法にポケットエコーを付加することで、自宅で確定診断がつけられます。より確実な日々の健康管理、より迅速な急変時の診断、より安全な日々の処置ができるようになること、これによって緊急搬送・緊急入院が減る、患者さんはより幸せに人生を過ごすことができて、ひいては社会保障費の適正化に進むかもしれません。

Vscan Airは以前の機種よりも安価になりました。ですが、装置のコストを下げすぎずに技術をさらに進化させ、より良いVscanを生み出し、聴診器の代わりに使える身近なポケットエコーになってほしいです。
※使用者の経験に基づく記載であり、GEヘルスケア・ジャパン株式会社が仕様値として保証するものではありません。
製造販売:GE ヘルスケア・ジャパン株式会社
販売名称:汎用超音波画像診断装置 Vscan Air
医療機器認証番号:303ACBZX00012000

JB13900JA