当院における Revolution AscendのEffortless Workflowと臨床貢献

当院の放射線科では、2台のCT装置（16cmカバレッジ Revolution CTと4cmカバレッジ LightSpeed VCT )で約3,000件/月の検査を行ってきた。今回の機種選定では検査ワークフローの向上とCoronary CT検査を実施できる装置であることを選定の基準とし、院内協議のもと導入を決定した。当院での使用経験を踏まえ、Revolution Ascendが搭載する自動化ワークフローならびに臨床貢献について紹介する。

Revolution AscendはPre-Scan、Scan、Post-ScanのCT検査に関わる各セクションにおいてAIならびに自動化技術を搭載している。

Pre-ScanではDeep Learning 3Dカメラを使用することで撮影部位に合わせた最適なポジションでの撮影を可能としている。これにより操作者の経験年数に関わらず、最適な撮影ポジショニングならびに適切な線量レベルでの撮影が可能となります。Scanに関わる自動化機能においては、Smart Plan (自動撮影範囲調整機能)とAuto Prescription (自動撮影条件調整機能)があります。撮影したスカウト画像をもとに、自動で撮影範囲が調整され、最適なプロトコルが選択されます。これにより、従来撮影条件の設定に要していた時間を削減できるとともに、低管電圧撮影をルーチン検査に積極的に取り入れることが可能となりました。Post-ScanではDeep Learningを用いた画像再構成ならびに、SnapShot Freezeなどの自動解析アプリケーションにより、高品質な画像を臨床科医師へ迅速に提供することが可能となっております。

Revolution Ascendの魅力は、Appropriate Dose, Low Contrast Detectability, High Qualityの画像をルーチン検査の中で実現できてしまう点が挙げられる。Revolution Ascendの以前は8MHUの管球を搭載した装置を使用していたが、検出器のフルデジタル化ならびに最新の画像再構成により、以前よりも低い線量で高画質な画像を得ることができている。また、Auto Prescription(自動撮影条件調整機能)により低管電圧撮影を積極的にルーチン検査に組み込むことができ、高コントラストの画像を取得することができている。これにより、検査で見落とされがちな肝胆膵領域において、検出能の向上が期待される。

頭部撮影において、Revolution Ascend導入以前はHelical撮影によるアーチファクトを避けるため、Conventional撮影を実施していたが、Revolution AscendではHelical撮影においてもアーチファクトの少ない画像を取得することができている。また、白質・灰白質のコントラストも非常によい。

Revolution Ascendで撮影した画像はSnapShot Freeze(冠動脈モーションアーチファクト低減機能)を使用することが可能であり、4cmカバレッジCTでありながら高心拍ならびに不整脈に対応した心臓撮影が可能である。ここではその1例となる画像を紹介する。
HR56-128の症例においても、GECTのCardiac Technologyである、SnapShot Freeze, ECG Editor, IBR (バンディングアーチファクト低減機能)を使用することで、短時間で画像処理が可能である。

Revolution AscendはAI・自動化の技術により、検査ワークフローの向上ならびに全身領域における画質の向上に貢献してくれています。

今回はRevolution Ascendの使用経験に基づき、執筆させていただきました。これから選定を検討されるご施設の参考になれば幸いです。

※お客様の使用経験に基づく記載です。仕様値として保証するものではありません。

撮影条件や部位、体格によって実際の被ばく量は変わります。
記載内容は、お断わりなく変更することがありますのでご了承ください。