当院における SnapShot Freeze2.0 の活用法
ーTAVI術前検査での弁径計測ー


一般財団法人慈風会 津山中央病院
放射線技術部 坂元 佑基 先生、副部長 藤田 卓史 先生、課長 吉田 勝 先生

はじめに

 

当院は、病床数515床をもつ岡山県北部の基幹病院である。3次救急センター、心臓血管センター、脳卒中センターなどからの依頼を含め年間34,000件のCT検査にGE社製64列CT装置3台で24時間対応している。岡山県北では初となるTAVI実施施設となり2021年2月より治療を開始しており2022年8月現在で67名の治療を行った。
この度、GE社 Advantage WorkStation 4.7に搭載されているSnapShot Freeze 2.0をTAVI術前検査に使用する機会を得たので報告する。

図1 左から吉田課長、藤田副技師長、坂元技師

 

SnapShot Freeze 2.0について

SnapShot Freeze 2.0(以下SSF2.0)とは、GE社 ワークステーションに搭載されている心臓の動き抑制アルゴリズムの最新Versionである。SSF2.0とはターゲット心位相の前後±80msecの3種類のCT画像から、動き成分を抽出・除外して画像化する技術となる。(図2)

SSF1.0は、心血管の動き抑制に有用であるが、SSF2.0ではその動き抑制アルゴリズムはより強力となり心臓ストラクチャー全体の動き抑制が可能になった。

大動脈弁輪は心周期の影響を通じ拍動の影響を受け収縮期において計測値は最大となる。従来は弁輪径周囲のモーションアーチファクトの影響を受け大動脈弁最大開口位ではないが、最も動きの少ない心位相と収縮期の画像2種の再構成を行っていた。そのため、解析時間の延長や計測精度の劣化が生じていたが、SSF2.0導入後では収縮期の大動脈弁最大開口位のみでの計測が可能となった。

図2 Snapshot Freeze 2.0

 

SnapShot Freeze 2.0の画質改善

SSFなし(原画像)では大動脈弁の動きと石灰化により評価が困難であったが、SSF2.0により収縮期の大動脈弁最大開口位でも弁周囲のモーションアーチファクトが大幅に抑制され弁径が明瞭に描出可能となった。そのことでTAVI術前計画においてリーフレットの描出能が格段に向上し、石灰化に伴う弁尖評価も可能となる。(図3)

SSF2.0の導入により大動脈弁の描出能が向上し、TAVI術前計画における大動脈弁を計測する際のトレースの確信度の向上、ならびに計測時間の短縮を体感している。

図3 SSFなし、SSF2比較例

 

SnapShot Freeze 2.0による効果検証

SSF2.0でのTAVI術前検査画像に対する心臓の動き抑制効果を検証するため、収縮期の大動脈弁最大開口位での画像と、その画像でのSSF2.0画像を連続30例 で5段階視覚評価を行った。また、その中でTAVI術前計測から選択されたデバイスサイズと実際にTAVI実施した10例で使用したデバイスサイズの確認を行った。検証データの心拍数は68.2bpm±14.82、再構成位相は28.46%±2.87であった。(図4)

図4 TAVI術前時データの内訳

 

視覚評価では、大動脈弁輪、バルサルバ洞、ST接合部、左右冠動脈起始部のモーションアーチファクトを総合的に5点満点で評価し、1点を評価困難、5点をモーションアーチファクトなしとした。

 

視覚評価の結果、SSF2.0画像はSSFなし(原画像)と比較しモーションアーチファクトは軽減され、ScoreはSSFなし(原画像)では3.4±0.66に対しSSF2.0画像では4.43±0.55となりP<0.01となった。(図5)


図5 SSFなしとSSF2.0画像の視覚評価結果

 

当院のTAVIではSapien3とEvolut Proの2種類のデバイスを使用しているが、SSF2.0導入後にTAVI実施した20例ではTAVI術前計測での弁径面積から選択されたデバイスサイズから術中にデバイスサイズを変更することなくTAVIを実施することが出来ている。Retrospective検証の結果、SSFなし(原画像)での弁径面積では1症例Evolut Pro 23mmと26mmでのデバイス選択の違いを認めた。(図6)

 


図6 SSFなしとSSF2.0画像のデバイス選択

 

循環器内科心臓弁膜症治療部門長
山中俊明先生からのコメント

 

SSF2.0あり、なし(原画像)では全くの別物の画像である。SSF2.0の画像では弁、冠動脈の動きが抑制され石灰化のダークバンドも大きく減少している。SSF2.0導入前と比較し、術前計画として弁輪等の計測に要する時間が短縮した。

 

最後に

 

SSF2.0導入前は、最も動きの少ない心位相と収縮期の2種の画像で計測を行っていたが、SSF2.0導入後は収縮期の大動脈弁最大開口位のみでの計測が可能となり、計測に要する時間が短縮した。また、実際のTAVI実施時に使用するデバイスも計測結果と高い精度で一致しており、TAVI術前検査画像としてのクオリティが向上していると実感している。

今後も患者様の為により良い画像提供ができるよう業務に取り組んでいこうと考える。

 

※お客様の使用経験に基づく記載です。仕様値として保証するものではありません。

撮影条件や部位、体格によって実際の被ばく量は変わります。
記載内容は、お断わりなく変更することがありますのでご了承ください。

関連製品

JB06289JA