郡山市医療介護病院様にご導入いただいた Revolution ACTの臨床使用経験のレポートを頂きましたのでご紹介いたします。

病院紹介

平成18年6月1日開院し、医療と介護にまたがる分野を受け持っている病院です。急性期医療や回復リハビリを終えても、直ぐには自宅あるいは施設での生活は困難な方に、その方なりの生活が可能な方法をいっしょに考える、そのような療養型の病院です。ハード面は郡山市が建設し、ソフト面は指定管理者制度により郡山市が郡山医師会を指定することによって、管理運営を郡山医師会が行っています。郡山医師会は明治以来地域医療に取り組み、明治45年には安積産婆看護婦養成所（現在の郡山看護専門学校）を設立して、看護師等の養成に力を注ぎ、昭和6年には診療所を開設し診療にあたりました。

また、当院では常勤医師3名に加えて、郡山医師会員等からなる30名を超えるコ・オペレイティング・ドクターズチームが専門分野の診療や日当直等にあたっています。

装置更新の背景

これまで、国産CTメーカーの4列CTを10年ほど使用していましたが、管球の調子が悪くなってきました。このままでは管球寿命が尽きそうだったことと、このCTの保守契約は管球込みではなかったために、管球交換の際に大きなコストがかかってしまうことが更新のきっかけになりました。もちろんCTを買い替えたほうがコストはかかりますが、近年、当院のCT検査では広範囲撮影のオーダーが増えてきたために、4列CTのパフォーマンスでは息止め時間などが十分ではなく、患者さんにとって負担のかかる検査になってきていました。管球切れ間近であったこと、かつ、臨床側から要望されるCT検査に適合させるために、装置を更新することになりました。

装置選定から決定まで

今回は購入部署である検査科で、各社販売資料を集めたり、実機デモンストレーションなどを行ってもらい、検査科内で機種を絞りこみました。これを機種選定委員会（院長・副院長・事務長・看護部長・事務担当者と、購入部署の責任者で構成）で審議して頂き、購入に至りました。検査科が行った選定方法は、メンテナンスを含めた総合的な価格と、各CT装置のスペックや臨床パフォーマンスを加味した比較表を作成し、評価をしていく形をとりました。

Revolution ACTが加点されたポイントは、

スキャンスピードが速いこと（ヘリカルピッチによらず高画質が得られる）
上位機種で採用されている画像再構成アルゴリズム「ASiR」が搭載されていること
「デジタルチルト」によりポジショニングが困難な患者様でも無理なくCT検査が施行できること

の3点が大きく影響しました。

特に3.の「デジタルチルト」に関しては、当院は拘縮されている患者様が多いので、ポジショニングの簡略化は非常に重要な加点ポイントになりました。

導入後の感想

cv_koriyama_02 — 当院のRevolution ACT

（左: 太田一寿副院長、中央: 原寿夫院長、右: 筆者)

当院の管理運営は郡山医師会が行っているので、画像診断機器に関しては医師会の先生方との共同利用という形を取っています。

Revolution ACTを導入してから、医師会の先生方からのCT検査が増加傾向にあります。前CTの時は、当院における全CT検査の6割くらいが院外からの紹介だったのですが、Revolution ACT導入後は、全体の7割くらいに増えました。

CT検査時間は従来と比較して大きく短縮されていますし、かつ低被ばくで、高画質のCT画像を得られるので、患者様にとっても医師会の先生方にとっても、今回のCT更新は恩恵があったと確信しています。当院としても、医師会の先生方からの紹介はなるべくスピーディーに対応できるようにしており、即日対応も受け入れています。このような連携を図ることで、より地域医療に貢献していきたいと思います。

Revolution ACTの臨床での実力には、とても満足しています。前述しましたが、頭部CTにおいてポジショニングが簡略化され、かつ高画質な画像を得ることが可能です。臨床画像を次ページに示しますが、アーチファクトが少なく、コントラストも十分ついた画像になっています。

1.25㎜×16列ヘリカルスキャンによりストリークアーチファクトを抑えて、ASiRの効果が十分に効いているからだと推察しています。体幹部に関しては、胸腹骨盤のような長い範囲の撮影が増えたのですが、10数秒で撮影が可能になったことで、一回の息止めで撮影を行っています。頭部・体幹部いずれもMPRを再構成するプロトコルになっていますので、撮影後には従来のアキシャル画像だけではなく、サジタル・コロナル画像も自動で得ることが可能です。画像再構成時間も早く、またCT操作自身は非常にシンプルで分かりやすく、私はGE社のCTを初めて使用したのですが、操作習得もスムーズでした。

Revolution ACTの臨床画像

まとめ

国産メーカーからの買い替えで、当初は多少なりとも不安はありましたが、容易なポジショニング、高画質イメージング、シンプルな操作を達成しているRevolution ACTは院内外からも高い評価を得ています。多くの高機能を有しているCTですので、臨床的に有意なものは積極的に導入し、より質の高いCT検査を実施し、医師会と連携して地域医療への貢献を目指していきたいと思っています。

薬事番号

※実際の被ばく量は撮影条件や部位、体格等によって変動します。

※お客様の使用経験に基づく記載です。仕様値として保証するものではありません。

デジタルチルトは拘縮されている患者様に有効

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