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~価値ある検査を受診者のために実現~


君島乳腺クリニック
君島 伊造 院長、平井 和子 様

施設の紹介

 

2022年2月に福島市松浪町の小島内分泌内科クリニックを承継して、君島乳腺クリニックを開業致しました。それ以前は、手術を中心とした乳がんの治療を主に行ってきましたので、開業は、これまでに治療に関わった患者様の外来治療および経過観察が主な目的でした。
しかし開業後のクリニック運営において、乳がん検診や検診で要精検の判定がなされた方の診察は欠かせませんので、マンモグラフィ装置を導入することに致しました。機種選定に際しては、平井技師とそれぞれの立場から様々な観点について検討しました。
我々は過去に外国製2社のマンモグラフィ装置を使用した経験があり、今回で3社目となりましたが、以下に本機を導入するに至った経緯について述べます。

写真1 君島 伊造 院長

 

GE社のマンモグラフィ装置を選択した経緯

 

GE HealthCare社のマンモグラフィ(以下MG)装置を選択した際のポイントについて述べます。

 

まず、分解能に直接関わる因子である画素サイズですが、100μmは他社との比較では最も大きなサイズであり、分解能の観点からは不利と考えられます。当然画素サイズが小さいほど、見分けられる最小の石灰化は小さくなり、非常に小さな石灰化を見逃す心配があるからです。

しかし、MG検診で対象集団の死亡率減少に最も貢献するであろうDCIS(非浸潤性乳管癌)の石灰化を判別する能力について、DCISのタイプ別に考えてみましょう。

 

増殖が速く、早期から浸潤する可能性が高い「comedo type」のDCISは、乳管内病巣の中心部分が、酸素や栄養不足から壊死を来たし、その部分に石灰化してきます。いわゆる「壊死型石灰化」であり、線状石灰化などの比較的大きな目立つ石灰化から細かく淡い石灰化まで様々な程度に混在し、個々の石灰化の形状も不整で刺々しい部分も多くみられるのが特徴です。

一方、「分泌型石灰化」と呼ばれるものは、より淡く小さく、大きさの揃ったまるい石灰化です。より大人しいタイプのDCIS(乳頭状や篩状)における微細石灰化の典型はこの形です。もし受光部分の画素サイズが大きいために判別が困難になる石灰化があるとすれば、このタイプでしょう。

乳がん検診で逃してはいけない石灰化は、もちろん前者であり、これを75μm機器での写真で要精査に出来たものが100μm機器の写真で見落とすことは無いと考えます。壊死型石灰化は、その中の粗大な石灰化部分で十分に引っかけることが出来るためです。

この画素サイズだけを考えれば現在ある機種の中では、50μmが最小であり、解像度が最も高くなるはずですが、50μm機器は、FPD内素子形状の関係から、実際の画像上の濃度分解能は額面通りにならず、本機と大きな差は無いと考えられます。

MG検診の読影は、多い時で一度に数百例を読影するので、一症例の読影にかける時間は極めて短時間です。小さな画素サイズのMG装置にて得られる膨大な情報を含む画像を、その様な短い時間内に読み切れるものではありません。MG検診読影のこの様な実情を考えると、100μm装置の画像は必要十分なものといえます。

 

GE HealthCareのマンモグラフィの利点を考える時、画素サイズが大きい事は利点にもなります。
一枚当たりの情報量は小さくなるため、同じ枚数の写真を保存するためのサーバー容量が小さくて済むためです。更にシステムのS/N比が高く被曝線量を押さえる効果もあります。また、この装置のFPDは温度や湿度の影響が少ないために、他社のFPDのように撮影室の温度を常時一定に保つ必要も無く、維持が容易で、昨今電気代が高騰している中、ランニングコストも更に低く抑えられます。

これらの利点は、クリニック運営にとっても大きなメリットです。

 

機種選定

 

私は、君島乳腺クリニックの開業準備に関わらせていただくことになり、先生が乳房撮影装置購入のための最善の選択ができるよう、技師の立場から情報を収集し、検討しました。

現在の装置はフラットパネルディテクタ(以下FPD)搭載型が一般的で、画質については各社それぞれに特徴があるものの、大きな優劣はありません。機種選定にあたり、受診者の痛み軽減につながるような優しい装置であること、維持費を比較的安価に抑えられることなどを重視しました。

写真2 放射線科 平井和子 技師

 

受診者にとって優しいデザインの装置
乳房支持台の大きさや厚み、角の形状が受診者の痛みにつながることも少なくありませんので、各社の乳房支持台の形状等について確認をしました。

私が使用経験のある装置は、 トモシンセシス撮影の振り角の影響のためか乳房支持台が大きく、様々な受診者を撮影する上で、スムーズなポジショニングが難しいことがありました。一方、カセッテサイズより大きめのFPDを採用するメーカーが多い中、従来のカセッテ方式の装置とほぼ同じサイズのFPDを搭載する装置も検討しましたが、大きな乳房は分割で撮影せざるを得ないことになりますので、被曝や受診者への配慮等の検討が必要だと思いました。

GE HealthCare社の乳房支持台は適度な大きさで、厚みも薄く、全体的に角が滑らかで、痛みの軽減につながると思いました。また、どのような受診者においても比較的スムーズなポジショニングができるのではないかと感じました。

 


写真3 乳房支持台正面

写真4 乳房支持台横方向

写真5 乳房支持台斜め方向

 

 

サーバー容量や空調管理について
直接変換FPDは、50~85㎛の画素サイズであるのに対し、GE HealthCare社は100㎛の間接変換FPDを採用しており、サーバー容量を抑えることができます。また、温度や湿度の変化に強いため、直接変換FPDのような空調管理は不要です。

これらのことは、クリニックにおいて、電気代やインフラなどの維持費を考慮する上で、非常に重要な要因と考えました。

 

実際に導入して

 

① 受診者の痛み軽減
GE HealthCare社の乳房支持台の適度な大きさや形状は、予想通り、腋下や肋骨の痛み軽減に寄与していると思います。他施設からの紹介の方など、他社装置で撮影経験がある方からは、

"前回と比較して痛くなかった"

という声を多くいただいており、機種選択は間違いではなかったと感じています。

しかし、一概に装置ばかりの問題ではなく、技師の接遇やポジショニングの技術によるところも大きいと思いますので、更に技術向上に努めなければならないと思っています。

 

 

② 操作性の良さ
今まで使用経験がある装置は、撮影前にその受診者の撮影方向を入力しておく必要がありました。追加撮影があれば、そのまま撮影を継続できず、その追加分を入力しなければ撮影に移ることができませんでした。

しかし、 GE HealthCare社の装置は、撮影方向を角度で判断してくれるので、私は、右か左かを選ぶだけで撮影ができます。追加撮影も同様です。この簡便さには驚きました。また、仮に左右を間違えてしまったとしても、簡単に訂正ができますし、全体的に撮影時間の短縮につながっています。

 

 

③ 圧迫板のセッティング
18×24cmの圧迫板を使用する際、MLO撮影では圧迫板の位置を上部に移動させますが、もし、移動を忘れてポジショニングを開始しても圧迫板が動きませんので、すぐに気が付くことができます。これはCC撮影でも同様で、MLO撮影時に移動したままの圧迫板の位置では、圧迫板は動きません。

今まで使用経験のある装置は定位置に圧迫板がなくとも、圧迫板は動きますし、曝射もできます。曝射後の画像を見て、初めてミスに気付くことになります。圧迫板の位置と照射野がずれますので、画像欠損になることもあります。
十分に注意しながらポジショニングを行っていても、そのような事例が起きる可能性はありますので、 GE HealthCareのシステムは非常に安心して使用できます。

 


写真6 撮影コンソールの操作画面

 

 

④ 電源投入後の立ち上がりが早い
電源投入後、キャリブレーションも無く、撮影開始までの時間が非常に短いため、万が一、トラブル等で電源の再投入を行ったとしても、受診者をあまり待たせることなく、撮影ができるものと思います。(幸いにも今までそのような事例はありません)

様々な受診者に対するスムーズな撮影と操作性の良さは、検査のスループットの向上につながっており、診療がスムーズに進むためには重要なことと感じています。
機種選定にあたり、コロナの影響等で他施設の装置見学が難しい中、交流のある技師からの声などを基に、先生に情報を提供しましたので、実際に運用が始まってみて、その選択が間違いでなかったことに安堵しています。

 


写真7 マンモグラフィ検査室

写真8 君島乳腺クリニックの皆様

 

 

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