以前より日常でのシャント機能評価はノートPC型のVersana Activeを検査室で使用しており、持ち運びが容易な機種であったため、穿刺トラブル時には透析室のベッドサイドで穿刺用途としても使用していました。次第に穿刺トラブルでのエコーの使用頻度が増えてきたこともあり、検査室でのシャント機能評価と透析室でのエコーガイド下穿刺を分けて考えることとして、ワイヤレスで起動時間も早いハンディ型のポケットエコーを導入しました。これにより穿刺ミスの回数や再穿刺率は大きく改善し透析療法に関する患者アンケートで常に上位に位置していた『穿刺に対する恐怖・不安』も緩和されました。それだけではなく実機を見ればわかるようにVscan Air SLはS:セクタ型とL:リニア型の2種類のプローブが搭載されております。導入当初はエコーガイド下穿刺のためにリニアプローブの利用率が格段に高い状態でしたが最近では医師や臨床スタッフから透析後半の血管内ボリュームや心機能が知りたいとの声をよく聞くようになりIVC径による血管内脱水評価、asynergyの有無、心嚢液、弁膜症の有無などの判断にセクタプローブの使用頻度も高まっています。特に透析中に血圧低下をきたす場合、その要因がボリュームなのか心機能によるもの(弁膜症含む)なのか血圧のモニタリングだけでは判断に困るケースがしばしばあるためセクタ型とリニア型の両刀は非常に重宝しています。