　はじめに

2015年11月の病院新築に合わせて多くの装置を更新しました。CTの選定基準として重要視した事は、64列以上で高速撮影と高画質を両立できること。被ばく低減が可能で検査を行うにあたり制約が少ないことでした。そしてこの度Revolution EVOが導入されましたが予想以上のパフォーマンスとパワーに大変満足しています。新世代逐次近似ASiR-Vと、Smart MARにより、あらゆる検査で制約のない、使い勝手の良い検査を実現出来ています。心臓CT検査では、こんなに簡単にきれいな画像が得られるんだと、聞いていた以上の性能を実感しています。画像処理も含め非常に自動化が進んでいることにより、患者様ならびに我々スタッフにもストレスのない検査が実現でき、その再現性の高さに大変満足しています。

　高画質＆高速広範囲撮影

以前の16列CTでの造影検査では、高い造影効果を得ることを目的として連続2部位。例えば、胸部＋上腹部。上腹部＋骨盤部。と言った撮影範囲を基本としていました。現在は、高速撮影と新世代逐次近似ASiR-Vを使用することで30％以上の被ばく低減を行いながら、連続3部位撮影へと移行しています。また、胸部撮影において、以前はルーチン画像撮影後、必要な場合にはHRCT撮影を追加していました。HRCT撮影の設定などを含めると、やはり検査時間は長くなりますし撮影回数の増加で被ばく線量も増えます。現在は、フルデジタル検出器の効果もあってルーチン撮影データからのレトロリコンによるHRCT画像でも十分な画質が得られるため、HRCT撮影の必要が無くなり検査効率が向上し、被ばく低減にもつながっています。

　金属アーチファクト低減

頚椎撮影時に問題となるのが、歯科領域からの金属アーチファクト。歯科治療痕を避けつつ、見たい部分を撮影できるポジショニングで検査を実施してきましたが、頚椎疾患となるとポジショニングにも苦労していました。逐次近似を応用した金属アーチファクト軽減アルゴリズムSmart MARでは、金属周囲にわずかなアーチファクトは残るものの、周囲ならびに見たい場所にはアーチファクトが無くなるため、リフォーマット画像への影響も無くなりました。検査が楽に行えるようになりましたし、ブラインドエリアの少ない画像が提供出来ています。

　術前3Dマッピング

当院では消化器外科の手術の際、腹腔鏡を用いた手術が高頻度で行われています。現在は、術前に血管系の3D画像作成依頼が増加し、装置に標準搭載されているアドバンテージ・ワークステーション(AW)等で作成していますが、外科の先生からの評判も非常に良く「あの3D画像通りだったよ」と言うコメントも頂き、我々スタッフも喜んでいます。また、整形外科の術前や肝臓の部分切除前には体積計測のオーダーも出始めるなど画像の質の向上により、様々な手術に対して3Dの作成依頼が多く出るようになりました。

　まとめ

当院は、乳腺外科、消化器外科、整形外科などの術前検査が多いだけでなく、救急医療へ力を入れていることから、外傷症例の増加もあってCT検査数は増加しています。CT装置の性能向上がもたらす画像情報の質の高さからニーズが高まり、検査数は更に増加する事が予想されます。
この様な現状を踏まえ、今後は新世代逐次近似ASiR-Vをより積極的に使用して画質を担保した上で更に被ばく線量を低減した検査を実現していきたいと考えています。また、併設している健康管理センターでは今まで実現出来なかった肺の超低線量CT検査を新世代逐次近似ASiR-Vを活用して実施していきたいと考えています。

薬事情報

※お客様の使用経験に基づく記載です。仕様値として保証するものではありません。

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Revolution EVO 臨床使用経験

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