Senographe Pristina™のポジショニング
-複数の装置を使用した経験を通して-


医療法人社団善仁会 小山記念病院 様

当施設のマンモグラフィ検査について

 

小山記念病院では、2022年9月末から健診でGEヘルスケア(GEHC)社製マンモグラフィ装置 Senographe Pristina3D(以下、Pristina)が稼働しています。以前もGEHC社のSenographe DSを使用しておりましたが、同じくGEHC社のトモシンセシス機能付きの最新装置に更新しました。

この装置では1日10-15件くらい撮影しており、自治体クーポン、協会けんぽ、職域健診、人間ドックで使用しております。人間ドックが割合として少ないため、健診でのトモシンセシスの積極的な活用にはまだ至っておりませんが、今後取り組んでいきたいと考えております。

なお、外来の撮影室では他メーカー(B社)のマンモグラフィ装置が稼働しております。

菅原 育美 技師、浅野 由貴子 技師

 

Pristina導入の経緯と使用装置の変遷 (図1)、(図2)

 

外来マンモグラフィ撮影室で2018年に装置の選定をした当時は、まだトモシンセシスの導入は考えていませんでしたが、今後トモシンセシスの保険適応がされるようになれば、後にオプションとしてトモを入れられる装置が良いこと、圧迫の痛みを軽減できる装置ということを念頭におき、学会で各社の話を聞いた上でB社を選定しました。

最近まで外来撮影室のB社マンモグラフィ装置と、健診撮影室のGEHC社製Senographe DS(2013年3月導入)の2台で運用をしておりましたが、この2台の装置の比較において、Senographe DS のポジショニング性が高いことを認識し、今回の健診撮影室の装置の更新ではGEHC社にすることは技師の意見として一致しました。

なお今回トモシンセシス付きの装置導入にあたり、PACSの増設をしなくても対応できるデータサイズであったこと、トモシンセシスの10㎜厚の再構成Slab表示が可能であり読影医の負担が少なそうであったことも選定理由となりました。

 


(図1)当院で稼働しているマンモグラフィ装置の変遷

(図2)健診マンモグラフィ撮影室

 

読影医からのコメント

 

Pristinaの画像の読影では、ピクセル等倍で5MPモニタに全体がおさまるので読影しやすくストレスを感じません。他の装置の画像は拡大されてはみ出して表示されてしまいますので、読影に負荷がかかります。他社の装置で撮影した画像には、わかるようにメモをつけておくように技師さんにはお願いをしています。

 

Pristinaでのポジショニングの考察

 

以前のDS同様にポジショニングがしやすい装置だと感じています。

MLOで胸壁近くが深くまで入りやすいです。大胸筋近くの胸壁の入りやすさは、撮影台全体がコンパクトな長方形型であり、乳頭側の奥行き方向に膨らんでいないため、腕を上げすぎずに適度にリラックスしているためではないでしょうか(図3)。
前回外来撮影室で撮影した画像で、胸壁近くの描出が難しそうな症例については、Pristinaで撮影するようにしています。

 


(図3)Pristinaは撮影台の乳頭側までコンパクトなので腕を無理に上げなくてすむ

 

MLOで外側が安定して入りやすいです。MLOでは撮影台の真下に受診者の検側の足の位置がくるようにガイドライン書籍にも記載されておりますが、台の厚みがある装置では、その真下の位置があいまいになりやすく、乳房外側が逃げやすい位置になっていることがあったため、慣れるまで注意が必要と感じていました。Pristinaでは台が薄く検側の足の位置が明確になるので、外側が逃げるようなこともありませんでした(図4)。また受診者に対して、技師が立つ位置やわきの下の位置を導かなくても、自ら自然に正しい位置に立って頂いているので、ポジショニングのしやすさを実感しております。

 


(図4)Pristinaは撮影台が薄型で、検側の足の位置が定まりやすいため、外側を逃しにくい

 

エアコンの設定について

 

エアコン設定については、外来マンモグラフィ撮影室では26度固定で設定しておりますが、季節や時間帯によっては受診者が寒すぎると感じることもたびたびあります。GEHCの装置では、人が過ごすのに快適と思う設定であれば全く問題ないですよ、と言われております。また装置の稼働時以外はエアコンをOFFにできるため、とても安心しています。

 

その他の感想

 

コンソールの使い勝手について、撮影順序にとらわれず各技師がそれぞれの好みの順序で撮影したいため、順番をあらかじめ決めなくて済むことが助かっています。再撮の時もプログラム追加等の手間がなく、撮影終了時にまとめて出力するしないの選択をすればよいだけですので、イレギュラーな手順の場合も全くストレスがありません。
健診におけるスループットという意味で、画像表示の素早さはもちろん、全体的な流れとしてのストレスのなさを実感しております。

アクセサリキャビネットも装置同色のデザインで美しいこと、圧迫板収納がそれぞれレール式になっており、場所を取らないだけでなく使い勝手もとても良いので気に入っています。(図5)

(図5)デザイン性と使い勝手が良いアクセサリキャビネット

 

今後

 

乳房健診には病院全体として、とても力を入れて取り組んでおります。今後は健診でのトモシンセシスの運用について、院内での取り組みを進めていきたいと考えております。

 

※お客様の使用経験に基づく記載です。仕様値として保証するものではありません。

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