アジア初号機!Omni Legend 32を導入するにあたって


社会医療法人財団 慈泉会 相澤病院
放射線画像診断センター 上滝 峻 様

施設紹介

 

長野県松本市にある相澤病院は460床の病院で、救命救急センター、地域医療支援病院、地域災害拠点病院として急性期の医療を担っています。またPET/CTやガンマナイフ、トモセラピー、陽子線治療センターがあり、地域がん診療連携病院、関東甲信越地域小児がん連携病院として悪性腫瘍の診断と治療に効力を発揮しています。

PETセンターは、2003年から稼動しており、PET/CT装置2台で現在1日最大14件の検査を医師1名、看護師4名、診療放射線技師3名、事務員3名、臨床工学技士1名、薬剤師1名、サイクロオペレーター1名の体制で行っています。サイクロトロン保有施設であり、全身の18F-FDG PET検査の他、臨床研究で全身と頭部の11C-PiB検査や11C-メチオニン検査、18F-NaFによる冠動脈プラーク検査も行っております。

 


図1. 相澤病院 外観(相澤病院HPより)

図2. Omni Legend 32 外観

 

導入の経緯

 

現在2台体制で1日最大14件のPET検査を行っておりますが、いずれは1台体制での運用も視野に入れて機器選定を行いました。そのため、リング数が多い等体軸方向の撮影範囲が広く、短時間で検査可能な装置を条件としました。また、CTとPETのミスレジストレーションの無い画像を得るため、検査中に画像の確認ができるDirect MPR機能やPETとCT両方の呼吸同期ができることも条件としました。更新前がBGOクリスタルと光電子増倍管の装置であり、半導体検出器の装置でTOFも使用してみたい要望もありました。
機器選定を進めていくなかで、装置の性能や将来的なコストも考慮してDiscovery MIへの更新を予定していました。しかし、GEから最新のOmni Legend 32の提案をいただき今回の導入に踏み切りました。

Omni Legend 32は、1Bedの体軸方向撮影範囲は32cmと長く、オーバーラップ25%とすると約102cmの範囲が4Bedで撮影できるため、ほとんどの受診者を頭部から骨盤部までカバーすることができます。(図3)
Advanced Motion Free(AMF)でのデバイスレス呼吸同期が可能であり、PETは特別な操作なくルーチンで呼吸同期が可能です。また、今回、PETとCTの呼吸同期(Motion Match)も実施できるようバリアン社の呼吸同期システムも導入し、CTとPETのミスレジストレーションの問題が解消できます。Direct MPR機能もあり撮影が終わったBedから確認ができるのでCTとPETのズレを検査中に把握することができます。BGOの装置であるため、TOFは搭載されていませんが、Deep Learningを用いた画像再構成であるPrecision DL(PDL)を搭載しており、TOF様の画像再構成が可能となっています。PDLはHigh、Medium、Lowと強度の異なる3パターンがあり好みの画質を選択することが出来ます。(図4,5)

 


図3. 実際のプロトコル設定画面の一例
図3 は163.4cm 女性の撮影時プロトコル設定画面です。4Bed オーバーラップ25%で頭部から骨盤部まで余裕を持って撮影範囲に含めることが出来ます。
1Bedあたりの撮影時間を90秒とし体幹部の呼吸性移動のある部分には、Advanced Motion Free(AMF)を適用させています。AMF30~80%の50%のデータを使用するため、体幹部2Bedは180秒撮影としています。総撮影時間は9分となります。

 


図4. Q.ClearとPrecision DLのMIP画像比較(β500)大腸癌肝転移症例
(a)Q.Clear    (b)LPDL    (c)MPDL    (d)HPDL

 


図5. Q.ClearとPrecisionDLのPET Axial画像比較(β500) 膵頭部癌術後肝転移症例
(a) Q.Clear    (b)LPDL    (c)MPDL    (d)HPDL

 

臨床画像比較(Omni Legend 32 vs Discovery610)

 

両装置ともBGOの装置ですが、Omni Legend 32は、半導体検出器を用いたDigital BGO装置であり、超高感度で高分解能な装置です。スライス厚2.07mmでマトリクスサイズ384×384の高分解能な条件でルーチン撮影していますが、PDLを用いることで、短時間撮影を可能としています。比較症例のMIP、PET Axialを図6,7に示します。それぞれの装置の比較症例を撮影した条件を表1に示します。

 

表1.比較症例の撮影条件

 


図6. 膵頭部癌術後肝転移症例 MIP像
(a) Omni Legend 32    (b) Discovery610

 


図7. 膵頭部癌術後肝転移症例 肝臓のPET Axial像
(a) Omni Legend 32    (b) Discovery610

 

まとめ

 

Omni Legend 32の導入提案のお話をいただいた際、まさかのBGOクリスタルに驚き、TOFも使えないという不安もありましたが、Discovery610に比べて検査時間が半分以下になり、PDLを用いることで画質も落とすことなく検査ができていると思います。いずれ、現在の2台体制の検査数をOmni Legend 32 1台で実施予定ですが、Discovery610との画質や検査時間の違いから、既にOmni Legend 32 でほぼ全ての検査を行っています。

 

※お客様の使用経験に基づく記載です。仕様値として保証するものではありません。

薬事情報

関連製品

JB08009JA